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リノベーションで薪ストーブの後付けはできる?注意点や事例も紹介
こんにちは。札幌で一戸建て・中古住宅リノベーションを行うスロウルの平賀です。
薪ストーブは、パチパチと薪がはぜる音を聞いたり、揺らぐ炎の様子を眺めたりするだけで、ほっとします。
部屋をあたためるだけでなく、お湯を沸かしたり、料理をしたり、インテリアとしてもすてきな薪ストーブ。
薪ストーブのない中古住宅を購入した際、リノベーションで後付けはできるものなのでしょうか。
今回は、リノベーションで薪ストーブを後付けできるかどうかについてお話ししていきます。
薪ストーブのメリット・デメリットや、リノベーションで導入した事例などもご紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね。
薪ストーブの特徴とメリット・デメリット
冬、特に厳冬の北海道では暖房器具選びはとても重要です。
最近は住宅の性能が上がり、エアコンだけでも十分にあたたかい一戸建ても多く見られます。
エアコンや床暖房、FF式のファンヒーターなど、それぞれに良さがありますが、薪ストーブには「炎のゆらぎや音でリラックスできる」「ストーブトップの熱で煮込み料理を、炉内でピザやローストチキンなどの加熱料理をつくれる」など、薪ストーブならではの良さがあります。
そして、もちろん暖房器具としても優れています。
薪ストーブの特徴と種類
薪ストーブは炎や炭の熱で空気をあたためるだけでなく、遠赤外線によって壁や天井、床などをあたため、そこから放熱される輻射熱がやさしく部屋全体を包みます。
部屋がむらなくぽかぽかと優しいあたたかさになるため、薪ストーブのある家は心地良く過ごせるのです。
薪ストーブには「輻射式」「対流式」「暖炉式」といったタイプがあります。
「輻射式」はストーブ内で燃える薪がストーブ本体をあたためて蓄熱し、その輻射熱が室内をあたためるもの。
「対流式」は二重構造になったストーブの内側と外側の間の空間を通る空気をあたためて、吹き出し口から熱を放出するもの。
「暖炉式」はオープンになったストーブの火室で薪を燃やして周囲の空気をあたためるもの。
どのタイプにもメリットはありますが、寒さの厳しい北海道の冬に主暖房として使うなら、輻射式が向いているでしょう。
輻射式の薪ストーブは、炎であたためられた鋳鉄の表面から放出される遠赤外線が空気を伝わって、人の体を直接あたためます。
遠赤外線は体の内側で熱に変わるため、体を芯からあたためてくれるのです。
薪ストーブのメリットとデメリット・注意点
薪ストーブのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット①家族が集まる場所になる
薪ストーブの魅力の一つが、「あたたかな場」が生まれること。
薪ストーブのそばにいるだけで心地良い熱を感じることができますし、薪がパチパチとはぜる音や、揺れる炎の音にはリラックス効果があります。
薪ストーブの周囲は、仕事や家事、勉強に疲れてひと息つきたいときなど、家族が自然に集まる場所になります。
メリット②調理器具としても活躍する
薪ストーブを設置したら、暖房だけではもったいない!
薪ストーブは調理器具としても優秀です。
炉内だけでなく、ストーブ上部はホットプレートとしても使えるため、さまざまなレシピが楽しめます。
ピザやチキンのグリル、上部を使って煮込み料理もおいしくできますよ。
薪ストーブで料理を楽しむため、高温に強いダッチオーブンやスキレット、ストーブトップでの調理用にホーロー鍋やケトル、ホットサンドメーカーなどを用意して、さまざまなメニューに挑戦してみてくださいね。
メリット③電気が使えない災害時にも使用できる
薪ストーブは電気がなくても使える暖房器具。
万が一、地震などの災害で停電が起こったときでも、薪ストーブが家にあれば、冬の寒さも安心です。
また、ガスやIHのコンロが使えない状況になっても調理ができるので、あたたかな食事をとることができます。
メリット④環境に優しい
薪ストーブに使われる薪の多くは、「間伐材」からできています。
間伐材とは、森林の木々が成長して密集化していくのを防ぐため、間引きをする過程でできる木材のこと。
間引きをしなければ、森には太陽光が入らなくなり、木々は健康に育たなくなります。
間伐は、森の環境を守るためにも必要なことです。
そして、間伐材を利用することは、自然からの恵みを無駄なく大切に使うことにつながります。
デメリット・注意点①部屋があたたまるまで時間がかかる
薪ストーブは薪を燃やして薪ストーブをあたためることで、部屋をあたためます。
そのため、ほかの暖房器具にくらべて部屋があたたまるのに時間がかかる点がデメリット。
しかし、薪ストーブは一度あたためれば長時間その温度を保つことができます。
薪ストーブがあたたまるまではほかの暖房器具を使うといったように、暖房器具を併用して使うと困ることはないでしょう。
デメリット・注意点②定期的にメンテナンスをする必要がある
薪ストーブは、使用シーズンが終わった春などに、薪ストーブ本体や煙突などのメンテナンスが必要です。
定期的にメンテナンスを行うことで、燃費効率を落とすことなく快適に使用できます。
デメリット・注意点③ランニングコストがかかる
薪ストーブを使用するには、薪が必要です。
薪の種類や使用頻度によって費用は変わりますが、平均的な100㎡(30坪)くらいの規模の家で毎日メイン暖房として薪ストーブを使う場合、一冬に使う薪の量は6~8㎥。
乾燥済みでカットされた薪を配達してもらう場合、1㎥(1m四方の立方体の量)で2万5,000円ほど。
1シーズン15~20万円ほどになります。
一方、メインの暖房はほかにあり、薪ストーブをサブとしてときどき(2週に1回3時間ほど)使う場合は、1シーズン0.5㎥=1万2,000円ほどというイメージですね。
乾燥カット済みの薪はどうしても割高になりますので、ベテランになると森林組合から丸太の原木を何本か購入したり、知人から無料で間伐材を譲り受けてチェンソーで玉切りし、自宅の庭で薪割する方もいます。
その場合、上記の半額以下で薪を入手できます。
薪ストーブのない中古住宅でもリノベーションで後付けが可能!
薪ストーブのない中古住宅に、リノベーションで薪ストーブを後付けすることは可能です。
薪ストーブを後付けする場合、煙突を設置するための壁や屋根の工事や床の補強工事などが必要で、大がかりなリノベーションとなります。
住宅の構造の状態や煙突の設置方法、炉台や炉壁の素材などによって違いますが、数十万円のストーブ本体よりも工事費のほうが高い、ということも多いです。
そのため、これから中古住宅の購入を考えていて、薪ストーブに憧れがあるのなら、あとでリフォームするよりも、中古住宅を購入してリノベーションする際に設置するのがおすすめですよ。
リノベーションで薪ストーブを設置する際のポイント
中古住宅のリノベーション時に薪ストーブを設置する際のポイントについてご紹介します。
ポイント①薪ストーブの設置場所を検討する
薪ストーブは煙突があるため、煙突をどう立てるかを考えて設置する場所を検討しなくてはいけません。
また、薪ストーブは強い熱を放出するため、ある程度広い場所に設置する必要があります。
そして、薪ストーブは重量があるため、設置する間取りによっては床の補強が必要不可欠。
土間など強度のある床であれば問題ないケースが多いです。
しかし、一般的な中古住宅をリノベーションして薪ストーブを設置する場合は、薪ストーブの荷重に耐えられるよう、床を補強することになります。
なお、薪ストーブの熱から周囲の壁などを守るために、薪ストーブ周辺の下地や仕上げ材に特定不燃材料を使用したり、炉台や炉壁を設置する必要があります。
ポイント②家の断熱・気密性能を高める
薪ストーブの性能を十分に発揮して家をあたためるには、家の断熱性や気密性も向上させることが大切です。
そのため、中古住宅のリノベーションをする際は、断熱材の追加や隙間をなくす、窓を断熱仕様のものにするなど、家の性能面にも注目してくださいね。
札幌で薪ストーブを設置する際の注意点については、下記コラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
三角屋根の家に薪ストーブ。札幌で設置する場合、条件やルールはある?
薪ストーブをリノベーションで後付けする際の費用
薪ストーブを設置する際の費用は、一般的に95万〜170万円ほどが目安となります。
薪ストーブ本体の価格は種類にもよりますが20万〜65万円ほど、煙突が40万〜75万円ほど、設置工事が20万〜40万円ほどが相場です。
住んでから薪ストーブを設置するよりも、中古住宅をリノベーションする際に一緒に薪ストーブを設置したほうが、工事費用などを抑えられます。
そのため、薪ストーブをいずれ設置したいとお考えの場合は、中古住宅を購入してリノベーションする際にあわせて検討すると良いでしょう。
リノベーションで薪ストーブを設置した事例
スロウルで実際に薪ストーブを設置した事例をご紹介します。
薪ストーブのある三角屋根の家
「本当の幸せとは何か」を考え続けてたどり着いた、スローライフがコンセプトのおうちです。
ご夫婦とお子さま一人の3人家族が暮らします。
「家庭菜園で穫れた美味しい野菜たっぷりのカレーを食べる」「寒い冬の季節は、薪ストーブにゆれる炎を眺めながら挽きたてのコーヒーを味わう」など、イメージしていた北海道らしい理想のライフスタイルを実現。
無垢のフローリングで本物の木の温もりを感じられる、すてきな住まいに仕上がりました。
スロウルでは、この他にも薪ストーブを設置したリノベーション事例が豊富にございます。
実例画像や動画「【リノベーションルームツアー】レンガと薪ストーブの家」でもご紹介しておりますので、ぜひチェックしてみてください。
リノベーションで薪ストーブの後付けはできる!
薪ストーブは炎や炭の熱で空気をあたためるだけでなく、遠赤外線によって壁や天井、床などをあたため、そこから放熱される輻射熱がやさしく部屋全体を包みます。
薪ストーブには「輻射式」「対流式」「暖炉式」といったタイプがあります。
薪ストーブには「家族が集まる場所になる」「調理器具としても活躍する」「電気が使えない災害時にも使用できる」「環境に優しい」といった、さまざまなメリットがあります。
一方、「部屋があたたまるまで時間がかかる」「定期的にメンテナンスをする必要がある」、薪が必要なため「ランニングコストがかかる」といったデメリットがあることも、あわせて覚えておきましょう。
薪ストーブのない中古住宅に、リノベーションで薪ストーブを後付けすることは可能です。
薪ストーブを後付けする場合、煙突を設置するための壁や屋根の工事や床の補強工事などが必要で、大がかりなリノベーションとなります。
そのため、これから中古住宅の購入を考えていて、薪ストーブに憧れがあるのなら、住み始めてからではなく、中古住宅を購入してリノベーションするタイミングで設置するのがおすすめです。
既存住宅や中古物件など、札幌でリノベーションをするならスロウルへお気軽にご相談ください。
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スロウルでは、写真ではなく実際にスロウルのリノベーションを体感してもらうためにモデルハウスを公開しています。
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(株)スロウル 代表取締役
平賀 丈士
憧れの大自然、北海道にバックパック一つで渡り、IT業界からリノベーション業界へと転身。2010年、北海道スタイルのリノベーション住宅「スロウル」創業。札幌という都会の中でも、自然とともに生活できる、そんな北海道らしいライフスタイルを実現できるような、ワクワクする家をつくる。
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