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​長期金利上昇による住宅ローンへの影響とは?リノベーションのための家探しは急ぐべき?

こんにちは。札幌で一戸建て・中古住宅リノベーションを行うスロウルの平賀です。

 

これからマイホームの購入をする方や中古住宅を購入してのリノベーションをする方のほとんどが利用する住宅ローン。

 

日銀の金融政策の修正によって長期金利の上限が変更されたため、2023年11月現在、住宅ローンの固定金利は上昇傾向にあります。

金利の上昇は毎月の返済額や利息の負担が増えるため、家計に大きな影響を与えます。

今後住宅ローンの金利はどのように変化していくのでしょうか。

 

中古物件を購入してリノベーションを考えている方は、家探しのタイミングも気になりますよね。

今後固定金利や変動金利はどうなるのか、金利が上昇した際の、返済額の変化もあわせてご紹介します。

 

キッチンリノベーション

 

 

金利上昇の住宅ローンへの影響は?固定金利と変動金利は今後どうなる?

一般的に、住宅ローンの返済期間は20〜35年と長い期間をかけて返済するもの。

返済が終わるまでには、金利に大きな動きがあることが考えられるでしょう。

そのため、住宅ローンを選ぶ際には、固定金利と変動金利の特徴を押さえ、将来にわたっての返済プランをしっかりと立てて、自分にあった金利タイプを選ぶことが大切です。

 

固定金利・変動金利とは

住宅ローンを利用する際には、​固定金利と変動金利のどちらかを選ぶことになります。

 

固定金利は、当初の金利が、全期間、または選択した一定期間続きます。

そのため、月々の返済額も固定金利期間は常に一定で資金計画が立てやすいのが特徴です。

しかし、一般的に変動金利と比べると金利が高い傾向にあります。

 

変動金利は 、借入後も市場金利の動向によって適用金利が見直しされ、金利が変動します。

変動金利は固定金利と比べて、金利が低く設定されるケースが多いのが特徴です。

 

当初の返済額をなるべく抑えたい方は、変動金利が向いていますが、金利は一般的には半年ごとに見直されるため、金利が大幅に上昇すると、毎月の返済額や利息の負担が増え、返済が困難になる可能性があります。

 

固定金利と変動金利は今後どうなる?

2023年10月31日、日銀がこれまで「1%」としていた長期金利の容認できる変動幅を「1%をめど」に修正し、長期金利が1.0%​を超えても容認されることを示しました。

固定金利と変動金利にどのように影響するのでしょうか。

最新の動向をご紹介します(2023年11月1日現在)。

 

長期金利に連動するのは住宅ローンの固定金利です。

各金融機関は10年国債利回りなどの「長期金利」の水準を参考に、固定金利を決定しています。

長期金利の上限を0.5%から1%に引き上げた7月以降、多くの金融機関が固定金利を引き上げました。

全期間固定金利型や10年固定型などの金利は、今後も上昇することが予想されます。

 

今後、固定金利がどんどん上がっていったとしても、すでに返済を開始している方の金利は変わらないため、金利の上昇が予想される場面であっても心配はありません。

これから住宅ローンを新規で利用しようという方は、経済動向から目を離さず タイミングをしっかりと見極めて行動に移す必要があります。

一方、変動金利はどうなるのでしょうか。

固定金利が上がったら変動金利も上がるのではないか、と不安に思う方も多いと思います。

 

変動金利の場合は、基本的に短期プライムレートに連動しており、長期金利の変動許容幅の増加に影響を受けないため、現時点で金利が上がる見込みは少ないといえます。

 

短期プライムレートとは、銀行が優良企業向けの短期貸出(1年未満)に適用する最優遇金利のこと。変動金利に影響を及ぼす短期プライムレートも日銀の金利政策の影響を受けますが、賃金の安定的な上昇や、良好な経済状況が継続できている状況が認められなければすぐに上昇することはありません。

そのため、もし金利が上昇したとしても固定金利ほどの上がり幅にはならず、かなり低い上昇に留まるのないのではないかと予想されています。

 

 

金利が上昇すると変動金利の住宅ローン返済額はいつから増える?

時計

変動金利のベースとなる短期金利をマイナスに抑える一方で、固定金利のベースとなる長期金利の上限は少しずつ引き上げられました。

 

そのため、今後、固定金利と変動金利の差はさらに大きくなる可能性もあります。

そうなれば、借りる人にとっては変動金利のほうが魅力的に映るでしょう。

しかし、変動金利は経済情勢によって変動していくもの。

上昇したときのために、適用金利や返済額が変更されるルールを知っておきましょう。

 

変動金利の見直しは年に2回

金融機関で変動金利型の住宅ローンの金利を見直すのは、多くの場合、年に2回。

主に4月と10月に金利が見直されます。

 

変動金利の返済額の見直しは5年ごと

半年ごとに適用金利が見直されたとしても、その金利で住宅ローンの返済額が再計算されるわけではありません。

 

実は、変動金利型の住宅ローンには家計への急激な負担を防ぐため、毎月返済額は5年間変わらないというルールがあります。

そのため、借り入れから5年後、10年後、15年後といった5年たったときが返済額が変わるタイミングとなります。

また、一時的に金利が上がったからといって、返済額見直しのタイミングで必ず返済額が上がるというわけではありません。

その後、適用金利が下がり、プラスマイナスゼロであれば返済額は変わらないのです。

 

見直し後の返済額は「これまでの返済額の1.25倍まで」という上限も設けられています。

そのため、見直し後の返済負担が極端に増えることはありません。

 

しかし、金利が上昇を続けた場合は、毎月返済額のうちの利息の割合が徐々に増えていきます。

元金ではなく利息から優先して返済されるため、利息ばかりを支払わなくてはならず、一向に元金は減らないという状態が続いてしまうことも。

 

さらに、大幅な金利上昇の場合は、利息部分が毎月返済額を超えてしまい、未払い利息が生じるケースもあります。

現在、変動金利は超低金利ですから、未払い利息が発生するほどの金利上昇は考えにくいのですが、変動金利を利用するなら仕組みだけでも知っておくのがおすすめです。

 

 

金利上昇時の住宅ローン返済額はいくら?

金利は低ければ低いほど毎月返済額、総返済額が少なくなります。

特に、大きな金額を借りて、長期にわたって返済をする住宅ローンは、金利の小さな違いも、返済額の大きな差になってあらわれます。

 

金利が上昇した際の固定金利・変動金利の返済額をシミュレーションしてみましょう。

 

固定金利の場合

<借入条件>

借入金額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし

 

借入期間を最長35年とする全期間固定金利型の住宅ローン【フラット35】 での借入を例に返済額をシミュレーションしてみます。

 

2023年11月現在の【フラット35】の金利1.960%(融資率9割以下、返済期間21年〜35年、最低金利)で借りた場合、毎月返済額は約9.9万円、35年間の総返済額は約4,149万円です。

借入額3,000万円に対して、約1,149万円の利息を払うことになります。

 

金利が1%上がり2.96%になった場合、毎月返済額は約11.5万円、35年間の総返済額は約4,822万円となります。

金利が1%上がることで、毎月返済額は約1.6万円、利息総額は673万円も多くなります。

 

固定金利は変動金利より金利が高い水準にあるため、金利が1%上昇するとかなりの負担になります。

また、毎月の返済額を決めて住宅の購入予算を決める場合、借入可能額も減ってしまうため、物件選びの選択肢も狭まってしまいます。

これから住宅ローンの固定金利を新規で利用したいと考えている方は、金利が上がる前に住宅の購入を考えるのも賢い選択だといえるでしょう。

 

変動金利の場合

<借入条件>

借入金額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし

 

金利を0.5%でシミュレーションしてみましょう。

毎月返済額は約7.8万円で返済の総額は3,271万円となります。

 

金利が1%上がり、1.5%になった場合、毎月返済額が約9.2万円で返済の総額は3,858万円となります。

総額は587万円アップし、月々の返済額も1.4万円ほど上がります。

 

固定金利と変動金利を比べると、変動金利が0.5%の場合、総額が3,271万円なのに対し、固定金利で1.96%の場合では4149万円と、その差は878万円にもなります。

 

たとえ変動金利が1%上昇したとしても固定金利よりも返済総額が少なく、変動金利が2%上昇した場合で、変動金利が固定金利の返済総額を超えることになります。

そのため、このまま変動金利の低金利が続くと考えるのであれば、変動金利で住宅ローンを組むことは合理的な選択といえるかもしれません。

 

しかし、変動金利も今後の経済状況によって大幅に上昇する可能性もあります。

変動金利を組むときは、金利の上昇に備えて、金利が上昇した際の返済額を想定し、繰上げ返済や貯蓄計画などの対処法を事前に準備しておくことが非常に大切です。

 

 

中古を買ってリノベーションするなら、家を買うタイミングはいつが良い?

金利は上昇傾向にあり、建築資材や住宅設備も値上がりしています。

そのため、近年注文住宅の建築費用は非常に値上がりしています。

詳しくは、下記コラムでご紹介していますのであわせてご覧ください。

注文住宅が値上がりの理由は?中古住宅のリノベーションがおすすめ

住宅ローンの負担を軽くするなら、金利が上がる前、できるだけ早く家を購入するのがいいのでしょうか。

 

家を建てるための土地をすでにもっていて、これから注文住宅を建てる場合はYESといえるでしょう。

しかし、中古住宅を購入してリノベーションする場合は、少し状況が違ってきます。

中古戸建てや中古マンションは一点物。

エリアや広さ、価格、築年数などの希望条件を満たす物件に、いつどこで出会えるかわかりません。

希望に合う物件が無いのに、金利ができるだけ低いうちにと焦って購入してしまうと、エリアや広さなどに不満が残るかもしれません。

 

予算や返済のことは大切です。

ただ、今目の前にある物件が、自分が叶えたい中古購入+リノベーションが可能な物件なのかについても、十分に検討することが大事です。

 

もしも、理想の物件に出会えたときに、今よりも金利が高くて、予算を減らさなければならないという場合は、リノベーション会社に相談をしましょう。

暮らしへのイメージや住宅性能はキープしながら、コストを下げるアイデアを出してくれるかもしれません。

 

リフォームローンとは?住宅ローンとの違いやメリット・デメリット」では、リノベーションの費用を住宅ローンで借りる際のポイントやメリットについてご紹介しています。

あわせてご覧ください。

 

 

金利上昇は住宅ローンに影響!ただしリノベーションの家探しは焦らずに

日銀がこれまで「1%」としていた長期金利の容認できる変動幅を「1%をめど」に修正し、長期金利が1.0%​を超えても容認されることを示しました。

そのため、長期金利から影響を受ける固定金利は上昇が続いています。

 

一方、変動金利は短期プライムレートに連動しており長期金利の変動許容幅の増加の影響は受けないため、現時点で金利が上がる見込みは少ないでしょう。

 

変動金利の金利が上がる見込みは​現時点では​少ないとはいえ、借入金額が大きいため、金利が少しでも上昇すると返済額の負担が大きくなります。

金利の上昇に備えて対処法を事前に準備しておくことがとても大切です。

 

しかし、住宅購入で焦りは禁物。

焦って購入すると、自分が叶えたい理想の住宅にならないかもしれません。

住宅の購入は大きな買い物なので、希望の条件に合うかを慎重に吟味することが大切です。

 

将来の金利を予想することは難しいため、固定金利と変動金利のどちらを選ぶと良いか明確に答えることはなかなか難しいでしょう。

固定金利と変動金利の特徴を十分に押さえ、返済プランをしっかりと立てて、自分にあった金利タイプを選ぶことが大切です。

 

住宅ローンを組むときは、金利が上がることを想定して準備を進めていくと良いでしょう。

 

既存住宅や中古物件など、札幌でリノベーションならスロウルへお気軽にご相談ください。

 

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平賀 丈士

(株)スロウル 代表取締役

平賀 丈士

憧れの大自然、北海道にバックパック一つで渡り、IT業界からリノベーション業界へと転身。2010年、北海道スタイルのリノベーション住宅「スロウル」創業。札幌という都会の中でも、自然とともに生活できる、そんな北海道らしいライフスタイルを実現できるような、ワクワクする家をつくる。

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