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古家付き土地を購入して戸建てを新築。思わぬ落とし穴に注意
古家付きの土地を購入して注文住宅を新築するケースや、古くなった実家を建て替えるケースで思わぬ落とし穴になるのが古家の解体費用。ここ数年、解体費用が高騰しているからです。解体費用高騰の背景や、解体をせずにリノベーションする場合の注意点を紹介します。
◎目次
・首都圏では解体費用が3倍に?
・解体費用はなぜ上がっているの?
・古家を解体せずにリノベーションする選択肢も
首都圏では解体費用が3倍に?
最近、筆者の親類が、北海道小樽市にある今はもう誰も住んでいない実家を解体しようと、解体工事会社に見積もりを依頼したところ、200万円近い見積もり金額となり驚いていました。念のため、別の会社にも見積もりを依頼しましたが、それほど差のない金額を提示されたとか。その家は、築50年近い約40坪の木造2階建て。古家付きの状態で売り出したものの、なかなか買い手がつかないため、更地にしたほうが売却しやすいのではと考え解体を計画していたのですが、結局、解体費用の捻出に困り、今も古家付きの土地のまま放置しています。
実は、最近、古い家屋の解体費用が高騰しています。首都圏では、30坪程度の木造住宅の解体が、10数年前は100万円程度だったのに、2022年に解体した例では300万円というケースも。
また、土地を購入する際に、土地の売主に対して「更地にして売ってほしい」と交渉した人が、「古家付きのまま買ってくれるなら100万円値下げします」と言われ、購入したところ、古家の解体に値引き額を上回る費用がかかったという例もありました。
(写真はイメージです)
解体費用はなぜ上がっているの?
解体費高騰の主な背景には、2002年施行の建築工事リサイクル法などによって建材の再資源化が求められ、手作業でのコンクリート塊、木材、骨材などの分別が必要になっていること。また、2021年の大気汚染防止法の改正で、アスベストを含む建材への規制が厳しくなっていることがあります。
そのため、今後、解体費の相場が下がることは考えにくいと言えるでしょう。特に断熱材としてアスベストが使用されていた1960年〜1970年代に建てられた住宅の場合、アスベストの飛散を防ぐための処理費用がかかるので要注意です。
なお、解体費用は建築面積が大きいほど、木造よりも鉄筋コンクリート造の家の方が費用は高くなります。地域差はありますが、100万円単位の費用がかかると思っておいた方がいいでしょう。
古家を解体せずにリノベーションする選択肢も
注文住宅を建てて住みたいと思っていたエリアに、理想の広さや形、方角の売り地を見つけたけれど、古家付きで売られている土地だった場合、解体費用が今ほど高くなかった頃なら迷わず解体して新築を選んだかもしれません。しかし、100万円単位で解体費用がかかるなら、建物の状態によっては古家を生かしたリノベーションをするという選択肢もあります。
リノベーションなら解体費用、建築確認申請費用がかからない、基礎部分や躯体などを活用して工事費用を抑えられる可能性があるなど、コスト面でのメリットがあります。また、古さが味わいになっているような建物なら、その趣を生かし、新築では再現できない空間をつくることもできます。
ただし、基礎や柱、梁などの大部分が傷んでいたり、耐震工事が必要な状態の場合などは、建て替えをした方が安く済む場合も。建て替えかリノベーションか、どちらの方が予算内で理想の家をつくれるかは、古家付き土地の購入前に、リノベーションの会社に相談し、住宅診断をしてもらうといいでしょう。
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住宅系ライター
田方 みき
広告制作プロダクション勤務後、フリーランスのコピーライターとして活動。
現在は主に、雑誌・Webで住宅にかかわる記事の取材、編集、執筆に携わる。
主な著書に『家づくりのお金の話がぜんぶわかる本』(エクスナレッジ)
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