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札幌の家はあたたかい?リノベーションにも適用される札幌版次世代住宅基準
雪が多く、寒い日が続いた2021年〜2022年の冬。住まいの断熱性能の重要性を実感した人も多いでしょう。
ところで、積雪寒冷地の札幌市では、独自の高断熱・高気密の基準「札幌版次世代住宅基準」というものがあります。どのような基準なのか、基準をクリアすることでどんなメリットがあるのかご紹介しましょう。
◎目次
・札幌版次世代住宅基準ってどんな基準?
・そもそもUa値とかC値って何?
・スタンダードレベル以上の新築住宅は補助金の対象に
札幌版次世代住宅基準ってどんな基準?
温暖化対策を推進するためにも重要な住宅の省エネルギー性。国では平成25年省エネルギー基準で住宅の断熱性能等を定めています。でも、積雪寒冷地で、全国的にみても家庭からのCO2排出量が多い札幌市の場合、国の基準では十分とはいえません。全国平均よりも高い高断熱化が求められています。
そこで策定された札幌市独自の基準が「札幌版次世代住宅基準」です。
札幌版次世代住宅基準は、「外皮平均熱貫流率(Ua値)」「一次エネルギー消費量」「相当隙間面積(C値)」という3つの指標によって等級レベルが決まります。新築住宅では5段階、リフォームやリノベーションをした改修住宅では3段階の等級があります。それぞれの基準は下の表の通りです。新築住宅の場合、国の省エネ基準相当は札幌版次世代住宅基準の「ミニマムレベル」。つまり、札幌市では国の基準を上回る省エネレベルの住宅の推進を後押ししているといえます。
●新築住宅の基準
等級 | 外皮平均熱貫流率(Ua値) | 一次エネルギー消費量(全体) | 一次エネルギー消費量(暖房+換気) | 相当隙間面積(C値) |
トップランナー | 0.18以下 | 等級5 | 35%以下 | 0.5以下 |
ハイレベル | 0.22以下 | 等級5 | 45%以下 | 0.5以下 |
スタンダードレベル | 0.28以下 | 等級5 | 60%以下 | 1.0以下 |
ベーシックレベル | 0.36以下 | 等級5 | 75%以下 | 1.0以下 |
ミニマムレベル | 0.46以下 | 等級5 | 90%以下 | 1.0以下 |
(出所・札幌市ホームページ)
●改修住宅の基準
等級 | 外皮平均熱貫流率(Ua値) | 一次エネルギー消費量(全体) | 一次エネルギー消費量(暖房+換気) | 相当隙間面積(C値) |
ハイレベル | 0.22以下 | 等級5 | 45%以下 | 2.0以下 |
スタンダードレベル | 0.28以下 | 等級5 | 60%以下 | 2.0以下 |
ベーシックレベル | 0.36以下 | 等級5 | 75%以下 | 5.0以下 |
(出所・札幌市ホームページ)
◆札幌版次世代住宅認定制度についてはこちら
そもそもUa値とかC値って何?
札幌版次世代住宅基準の認定指標となっている「外皮平均熱貫流率(Ua値)」「一次エネルギー消費量」「相当隙間面積(C値)」。これらはそもそもどんなものなのでしょう?
●外皮平均熱貫流率(Ua値)
最近、住宅の広告やハウスメーカーのホームページなどで「Ua値●W/(㎡・K)の家!」などの言葉を見かけることがあります。Ua値と呼ばれる「外皮平均熱貫流率」というのは、「床、外壁、天井、開口部等から外へ逃げる熱量の合計を、外気や土に接している部分の面積を示す外皮面積で割ったもの。1㎡当たりの数値が小さいほうが、外へ逃げる熱量が小さい、つまり断熱性能が高いということになります。
●一次エネルギー
一次エネルギーとは石油や石炭、天然ガスといった化石燃料や、水力・太陽光、原子力燃料などから得られるエネルギーのこと。一次エネルギーを変換することで電気や灯油、都市ガスといった二次エネルギーが得られます。二次エネルギーはそれぞれに異なる単位が使用されるため、一次エネルギーに換算することで、建物の総エネルギー消費量を算出します。
●相当隙間面積(C値)
建物の気密性能を示すのが相当隙間面積(C値)。床面積1㎡当たりの隙間量をcm2で示したもので、数値が小さいほど気密性が高い家、ということになります。
(撮影/スロウル)
スタンダードレベル以上の新築住宅は補助金の対象に
札幌版次世代住宅のスタンダードレベル以上に認定された住宅には、建築費用と札幌版次世代住宅適合審査にかかる費用の一部が補助される制度があります。ただし、対象は新築住宅。リフォームやリノベーションで基準をクリアしたとしても、中古住宅の場合は対象外です。
とはいえ、リノベーションで札幌版次世代住宅の基準に相当する住宅にすることには、大きなメリットがあります。まず、断熱性・気密性が高い住宅ですから、夏は涼しく、冬はあたたかい快適な住空間が得られるほか、光熱費を抑える効果があります。また、認定を受けることで、将来、住宅を売却することになった場合、買主に対して安心感を感じてもらうことができ、スムーズな売却につながるといえます。
◆札幌版次世代住宅補助制度についてはこちら
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〈住 所〉札幌市清田区北野5条3丁目12-14
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住宅系ライター
田方 みき
広告制作プロダクション勤務後、フリーランスのコピーライターとして活動。
現在は主に、雑誌・Webで住宅にかかわる記事の取材、編集、執筆に携わる。
主な著書に『家づくりのお金の話がぜんぶわかる本』(エクスナレッジ)
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